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zoom RSS 塀の中とシャバのあいだのグレーゾーン〜映画に見る社会 羊の木

<<   作成日時 : 2018/10/07 01:54   >>

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映画に見る社会B『羊の木』 話題の映画から現代社会をウォッチング


【社会復帰のむずかしさ】
今年4月、愛媛県今治市で服役中の受刑者が脱走し、およそ3週間にわたり逃亡を続ける事件が発生しました。

事件そのものもショッキングでしたが、受刑者が一般の作業員にまじって働く作業所が存在することもまた驚きでした。

この作業所は通称「塀のない刑務所」とも呼ばれ、鉄格子や鍵もなく外部からの出入りもわりと自由なのだそうです。

このような施設がつくられるのも、罪をつぐない刑務所を出てきた人々が、なかなか社会に受け入れられない現実を物語っているでしょう。

2018年に公開された映画『羊の木』は架空の小さな町を舞台に、罪を犯した人間をどう受け入れ、ともに生きていくかというテーマをサスペンスタッチで描いています。

ギャグ漫画の傑作『がきデカ』を描いた山上たつひこの原案に『ぼのぼの』のいがらしみきおが作画を担当したコミックの映画化です。


【意表をつく設定】
魚深市という小さな港町に仮釈放中の元殺人者たちが集められ、その素性を隠したまま一般市民にまじり生活させようという極秘の計画が始まります。

犯罪者の更生とともに町の過疎対策も目的としたプロジェクトですが、彼らを受け入れ面倒をみる市役所の職員を錦戸亮が演じています。空港や駅の出口で「ようこそ魚深市へ」というカードを手に元受刑者を迎える姿が、海外旅行の現地ガイドのようです。

受刑者の面々は、頬の切り傷で素性が一発でバレそうな初老の男や、ふだんはおとなしいがアルコールが入ると何をしでかすか分からない男、恋愛のもつれから夫や恋人に手をかけてしまった女たちなど、さまざまです。

ひと癖もふた癖もある元受刑者たちを、田中眠、優香、北村一輝、松田龍平らが演じています。

彼らのほとんどが罪を悔いあらため、新しい環境や職場に馴染もうと努力します。一方で、静かに暮らしたい受刑者たちを挑発し、街に波風を起こそうとする根っからの反社会的性格の持ち主もおり、物語に不穏なムードが漂います。

舞台となった魚深という町は現実には存在しませんが、富山市周辺がロケ地になったということです。どんより曇った空と日本海の鈍色の海が印象的です。


【のろろ祭り】
町には古くから伝わる「のろろ」という神さまがいて、「のろろ祭り」という奇祭も行われています。

お祭りの夜、「のろろ」は従者をしたがえて街を練り歩きますが、その姿を見ることは禁じられています。

元受刑者たちも従者となって、人の絶えた通りを「のろろ」とともに歩きます。彼らにも触れてはいけない過去があり、「のろろ」に通じるタブーな存在といえるでしょう。

人に言えない秘密を抱えて生きるのは苦しみです。優香演じる元犯罪者は痛切な表情で「二度と人を好きになってはいけないのか」と主人公に問いかけます。

それに対する回答が、一般女性と受刑者のあいだに愛の感情が芽生えるエピソードでしょう。ですがその愛は物語を悲劇的な結末へと導いていきます。


【弱者を受け入れるコミュニティ】
殺人に手を染めた凶悪犯とはいえ、出所後の彼らは社会的に弱い立場です。

そんな弱者は、小さなコミュニティでなければ生きてゆけないのかもしれません。逆に言えば、小さなコミュニティには弱者を受け入れるだけの力があるのかもしれません。

高度経済成長と呼ばれた時代は、誰もが地方の小さな共同体を出てひたすら都会をめざしました。匿名性は都会の利点の一つですが、個人を孤独へ追い込む原因にもなります。孤独に陥ったすえ、犯罪にはしる者も出るでしょう。

バブルが崩壊するころからUターン、Iターンなど、大都市から地方に目が向けられ始めました。だれもが「小さなコミュニティ」の大切さを気づき始めたのではないでしょうか。


【終わりに】
 受刑者の方々が社会に復帰するための受け皿づくりには、まだまだむずかしいものがあるでしょう。しかしあらたな試みは始められています。

 今年3月、受刑者専用の求人誌『chance!』が創刊されました(ヒューマン・コメディ社発行)。
 
 雑誌に付いている履歴書には「非行歴・犯歴」や「入れ墨の有無」「指詰めの有無」を書く欄もあるとのことで、一見冗談みたいですが、それだけ差し迫った真剣さも伝わってきます。

 刑務所の中は、けして「塀の向こう側の他人事」ではありません。だれもがふとしたはずみに人生を踏みはずし、お世話になる可能性がないとはいえないのです。

 万一そんな事態になったらどう社会に復帰するか、これらの映画や求人誌のなかに答えが隠れているのではないでしょうか。

--

written by 塩こーじ

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